『社会起業家』
| ||
- 2015/10/27(Tue) -
| ||
斎藤槙 『社会企業起業家』(岩波新書)、読了。
続け様に社会起業家の本。 こちらは、どちらかというと理想を抱いて社会活動をしている側面に クローズアップしているので、私の苦手な方向に偏っている印象です。 アイスクリーム屋をやりたい!から始まっているのではないかと思うのですが、 本作での紹介は、ホルモン成長剤回避とか、温暖化対策とか、ホームレス救済とか、 そういう付加価値の部分ばかりにスポットを当てているので、 そもそもの事業開始の動機が歪んで伝わってしまっているような気がします。 事業を始めてみたら、いろいろ社会問題が気になるようになって、 チャレンジしたり、軌道修正したりして、今の事業の形になった・・・・・というのが 本音の部分ではないでしょうか。 端から聖人君子のような理念を掲げて事業を開始したかのような 錯覚をもたらす紹介は、結局、このような活動を目指す人の視点をゆがめてしまい、 今後の失敗事例を増やす手伝いをしてしまうのではないかと危惧します。 私が大学生の頃、就職活動の企業説明会で、ベネッセの人事担当者が 「ベネッセというとCSRを想起する学生が多いようだが、民間企業であるからには利益を目指す」と 明言されていて、むしろ、現実をしっかり捉えて、堂々としている姿が格好良いなぁ、 変に猫を被った演出をしないのは信頼できるなぁと感じました。 社会企業家の紹介においても、このような冷静さと現実性が必要なのではないかと思います。
![]()
|
||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/4591-e3ec3084 |
| メイン |
|