『チェーンポイズン』
- 2015/10/07(Wed) -
本多孝好 『チェーンポイズン』(講談社文庫)、読了。

これまでの本多作品に感じていたような
ウィットに飛んだ一見ポップな中にあるチクッとした毒という印象の作品とは違って、
本作は、全編通して重たい感じで、ちょっと苦手でした。
読書前の勝手なイメージとのギャップの分、読みづらさが増してしまった感じです。

人生に行き詰まりを感じた、もしくは絶望を感じた人が手を伸ばそうとする自らの死。
そこに、「1年待ちませんか?」と待ったをかける存在が登場して・・・・・。

最後まで読むと、このあらすじ自体がミスリードを誘う役割を果たしているわけですが、
真相を知ったときの驚きは、私の中ではさしたる演出効果は無く、
なぜ人は死を選ぶのだろうかというそもそもの疑問に最後までもやもやしてしまいました。

確かに、登場人物たちは、自らの将来に絶望を感じるような体験をしたのかもしれませんが、
しかし、その体験と自殺の間には、やはり大きな溝があるような気がします。
絶望した人が全て自殺するわけではないだろうと考えたときに、
では、なぜ自殺した人は、死を選んだのか。
その直接的なきっかけが、本作に限らず、私には想像が及びません。
だからこそ、私は、のうのうと日々を生きていられるのかもしれませんが。

自殺という行為が帯びる暗黒のエネルギーが、
想像の及ばない存在であるために、非常に恐怖を持って私は感じ取ってしまいます。
なので、それをテーマに据えた小説は、上手く読み通せないのかもしれません。


チェーン・ポイズン (講談社文庫)チェーン・ポイズン (講談社文庫)
本多 孝好

講談社 2012-01-17
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