『エネルギー論争の盲点』
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- 2015/09/05(Sat) -
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石井彰 『エネルギー論争の盲点』(NHK出版新書)、読了。
温暖化の次は、エネルギーのお話・・・・・という王道コース。 ただ、本作は、環境問題を声高に訴えるものではなく、 あくまで現実的に、冷静に、エネルギー問題を考えようというスタンスで、 非常に説得力の高いものだと感じました。 そもそもなぜエネルギー問題が重要な社会問題なのかという 根本の整理から始まり、歴史を紐解きながらその変遷を解説してくれる流れに、 今更ながら、多くを学ばせてもらいました。 エネルギー利用価値を測定する9基準など、 至ってシンプルに当たり前のことを述べているにも関わらず、 あまりこういうアプローチは聞いたことがないなと感じてしまいます。 つい、「石油高騰!」「温暖化が危ない!」「原発反対!」というような 目の前の課題に対して感覚的・感情的に叫んでしまうことが多いのですが、 あくまで人類の大きな流れの中で、長期スパンで考えると何が重要なのかということを 再認識しました。 あと、難しい物理学の用語についても、分かるように解説する努力がなされており、 ようやくこの本で、「エントロピー」のイメージが何となくつかめるようになりました(苦笑)。 また、現在の「Co2削減のためには自然エネルギーしかない!」という論調は、 50年前の「夢のエネルギー源、原子力!!」という論調と同じであるという指摘は 目からウロコでした。 結局、我々日本人は、思考するとは何か、判断するとは何か、 戦略を立てるとはどういうことかという点で、何も学んでいないということなのですね。
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