『包帯クラブ』
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- 2015/09/05(Sat) -
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天童荒太 『包帯クラブ』(ちくまプリマー新書)、読了。
新書なのに小説???と、不思議だったので買ってみました。 中学時代に友達と方言クラブを作っていた仲間が、 今度は包帯クラブを結成、街の人々の傷ついた心を癒そうとする・・・・・ って、全然、本作の要約になってませんわ(苦笑)。 正直、何を軸にして読めば良いのか分からなかったんですよねぇ。 傷ついた心を癒すということは、一つのテーマになっているのは分かるのですが、 私の好みからすると、中学生時代は仲が良かった4人が 高校受験を経て、進学組1人とオチコボレ1人とその他普通の2人に別れてしまい 疎遠になるどころか仲間割れをしてしまう物語の方が、興味を惹かれました。 学歴というか、階層というか、そういうものを結構ストレートに描いていて 今の高校生を描くのに重要なテーマだと思ったからです。 それに比べて、心の傷を癒すというテーマは、別に高校生じゃなくても・・・・とか、 この境遇の主人公が向き合わなくても・・・・と、あまり必然性が感じられませんでした。 この4人に絡んでくる変わり者のディノは、その突飛さをあまりストーリー内で 消化できているようには思えませんでしたし、ギモも印象が薄いです。 あと、文章が読みにくかったです。 何も前触れのない話をいきなり書いて、数行後で事後説明するという演出は、 正直、読んでいて疲れるので好きではありません。 章ごとに挿入される、大人になった登場人物たちの手紙紹介も 狙い過ぎな印象で、面白いとは感じられませんでした。 うーん、盛り込みすぎということなんでしょうかね。 そして、なぜ新書形式での発表だったのかは、最後まで分からず・・・・・。
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