『DIVE!!』
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- 2015/08/17(Mon) -
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森絵都 『DIVE!!』(角川文庫)、読了。
高飛び込みにかける中高生たちの物語。 スポーツ青春モノの王道を行くような小説ですが、 王道だからこそ安心してのめり込めます。 高飛び込みは、偶然スポーツニュースなどで目にすると、 その美しさに見とれてしまいますが、なにぶん、日常生活では意識することのない競技のため 普段のトレーニングの様子や、選手同士の関係性などよく分かっていませんでした。 こういうスポーツ小説を読むと、競技そのものよりも、 選手の日常生活の様子を知ることができ、スポーツの奥行きを感じられるのが 楽しみの一つになっています。 今回は、中高生が主人公ということで、 思ったよりも聞き分けの良い子供たちが揃っていたので、 大きな波乱はないままに物語は進んでいきましたが、 競技人口が少なく、かつ本人も家族も日常生活内での時間の投資が必要なスポーツでは、 このように従順な子供と、穏やかな家庭環境にある人々しか成功できないのかもしれませんね。 この作品では、そこまで突っ込んでいないというか、 もう少し純真な目で高飛び込みの競技を描いているので、爽やかな世界観が広がっていますが、 競技と人口や競技者の社会階層などの研究をしてみると 社会学的に面白いかも・・・・・なーんて、余計な感想を持ちながらの読書となりました。 大きな波乱もなく、痛めつけられて敗れ去る描写も控えめで、 著者の優しさなのかなと思う反面、もう少し厳しさがあっても良いかなと感じてしまいました。 いずれにしても、日本における高飛び込みという競技を発展させていく難しさを知り、 夏のオリンピックに向けて興味が湧いてきました。
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