『小美代姐さん花乱万丈』
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- 2015/08/13(Thu) -
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群ようこ 『小美代姐さん花乱万丈』(集英社文庫)、読了。
売れっ子芸者の半生を描いた作品。 世間的に有名なモデルさんがいるのかと思ったのですが、どうやら著者の三味線の先生がモデルの様子。 そのような身近な人がモデルのせいか、それとも著者のキャラクターのせいか、 芸者世界を描いている割には、あまり色っぽさというか艶っぽさを感じさせません。 むしろ、腕一本で戦中戦後の混乱を生き抜いてきた女の一代記というような 力強さ、逞しさを感じさせてくれる作品です。 三味線のお稽古がなかなか身につかなくても、結婚した男が甲斐性なしでも、 ちょっと凹むだけで、すぐに前を向いて、ガンガン突き進んでいきます。 このケロッとしているところが、本作の明るさに繋がっている反面、 ちょっと掘りが浅いような印象も受けてしまいます。 ま、でも、何かにつけてクヨクヨよしている内向的な芸者さんでは、 座の華やかさは期待できないですね(苦笑)。 気持ちが切り替えられる人でないと、お客様を楽しませるという仕事を全うすることは 難しいのかもしれませんね。 昭和の芸者さんの世界という、最後の世代が作った世界を垣間見られたのも 面白かったです。
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