『漢字と日本人』
- 2015/07/21(Tue) -
高島俊男 『漢字と日本人』(文春新書)、読了。

堅そうな雰囲気の本ですが、
自分の「読みたい本リスト」の中にあったので、試しに買って見ました。

・・・・・・が、面白い!!

国語教育であったり、常用漢字制度だったりを
「バカ」だの「アホ」だの毒を出しつつ批判しながら、
漢字の仕組みの面白さを余すところなく伝える名エッセイです。

中学校で担任だった国語の先生が、いろいろ授業を工夫するのが好きな人で、
授業のアイスブレークに、「同音異義の熟語を見つける競争」などを生徒にやらせていました。
「コーカイ」は、公開、更改、航海、後悔だ・・・・・というような。

その授業では、私はあまり良い例を思いつくことが出来ず、
友達の発表を聞いて悔しい思いをしたので、
それから1ヶ月ぐらい、延々と「もっと同音異義の数が多い事例」を考えてました。
ある日、「辞書を引いたら良いんだ!」と思い至って、一気に関心が減ったのですが(苦笑)。

ま、でも、こんな風に、子供でも面白さが分かる漢字の世界ですから、
大人になったら、より一層、いろんな視点で楽しめるわけで。

そこに、著者の文章の名調子が加わって、小気味良いものに仕上がっています。

国語教育とか、常用漢字制度の話は、
終戦後の占領政策とか、教育のリソースをどこに投入するかというような政治的な判断も相俟って、
しかし一方では、純粋に日本人としての文化の根源をなすものでもあり、
その扱いの難しさ、バランスのとり方の難しさがよく分かりました。

たぶん、答えが出ることは永遠に来ないと思いますが、
その時代時代の価値観を反映して、常に国語教育というものは見直され、
ときには批判される運命にあるのでしょうね。
これは、日本語や漢字に限らず、「国語」のもつ宿命ですね。

漢字だけでなく、ひらがな、カタカナ、
さらには大和言葉と漢語という複雑な要素が絡まりあう日本語の
大変さと面白さが一度に味わえました。

エッセイを多数書かれているようなので、そちらも読んでみたいと思いました。


漢字と日本人 (文春新書)漢字と日本人 (文春新書)
高島 俊男

文藝春秋 2001-10
売り上げランキング : 20670

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<『よのなか教科書 国語』 | メイン | 『ゲーテさんこんばんは』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/4461-d9ceeef1
| メイン |