『官邸崩壊』
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- 2015/06/21(Sun) -
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上杉隆 『官邸崩壊』(幻冬舎文庫)、読了。
3.11以降、何だかんだと発言が批判されている著者ですが、 本人のキャラクターの特異性に拠るところで問題を悪化させているような気がします(苦笑)。 プライドが高く、自分に酔っちゃうタイプなんでしょうね。 というわけで、本作もどこまで事実で、どこからが創作(言い過ぎでしたら脚色としておきましょうか)なのか 分かりませんが、ま、著者の代表作なので読んでみました。 確かに、面白いです。 取材できた内容に沿って事実と想像とを厳密に分けて書くのではなく、 取材できた範囲から想定されるやりとりを思うままに書いてしまうことで、 読み物として面白いです。 ちょっと時間軸が何度も前後するところは読みにくかったですが、 登場人物たちが名の知れた政治家や官僚であるがゆえに、 場面を思い描きながら読んでいくことができ、 怒号が飛び交う異様なシーンや、安倍首相の側近たちのお粗末な仕事ぶりまで 頭の中で映像のように動かしていくことができます。 本作を読んでいて、第一次安倍政権と、第二次安倍政権の違いは 一体何なのでろうかという疑問がふつふつと湧いてきましたが、 これは、菅義偉官房長官という人物の力によるところが大きいのかなという気がしてきました。 少なくとも、本作で描かれたような混乱が今回起きていないのは、 菅官房長官の安定した仕事ぶりの成果なのかと思います。 この方、ぶれないし、対応が落ち着いてますよね。 発言の仕方は穏やかでも、言葉はずばっと切れ味鋭いときがありますし。 菅義偉という政治家についての評論を、もっと後の時代になってからでよいのですが、 いつか読んでみたいなと思いました。
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