FC2ブログ
『震える牛』
- 2015/05/11(Mon) -
相場英雄 『震える牛』(小学館文庫)、読了。

お初の作家さんです。

序盤の事件関係者の紹介と、本作のタイトルから、
事件の真相については簡単に推測がついていきますが、
それでも、十分に読ませてくれる展開でした。

警視庁内での派閥争いと、それによる初動ミス、
地方に進出する大型ショッピングセンターにより、疲弊する地元商店と、SC自体の経営難、
業界べったりの業界紙と、そこを離れて鋭い批判記事を書くWEB系ニュースメディア、
様々な社会的要素が盛り込まれ、しかも過剰な印象を与えずに
適度なバランスでうまく料理されているなと感じました。

主人公による再捜査が、上手く行き過ぎる感はありますが、
事件の真相究明よりも、社会批判としての本書を楽しんでいたので、
さほど気にせずに読み進められました。

SARSでも、新型インフルエンザでもそうですが、
日本人の危険回避力はそれなりに有効な面があるのかもしれませんが、
しかし、一般市民の情報理解力は心許ないものがありますよね。
よく分からないけど怖いから、思いついたこと、言われたことをとにかく全部やってみるという
変な行動力が凄まじいというか・・・・。

で、政府や官僚は、きっと、この情報弱者な状態を織り込んで、
「社会が混乱しないように上手く情報コントロールをかけながら、国民を一つの方向に誘導していく」
という計画を立てて動いているように思います。
「バカな国民と有能な官僚」という前提で。

ま、これは、どこの国も結局は同じかもしれませんが・・・・。
でも、いわゆる教育環境の良さと比較すると、やはり日本人の情報理解力や処理能力は
いささか弱いように思います。

そのあたりは、著者自身、作中人物たちに叫ばせているので、
納得感をもって読むことができました。


震える牛 (小学館文庫)
震える牛 (小学館文庫)相場 英雄

小学館 2013-05-13
売り上げランキング : 25766


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL | | CM(0) | TB(1) | ▲ top
<<『あの頃ぼくらはアホでした』 | メイン | 『被害者は誰?』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/4379-44a74f4d
-震える牛-
拝啓 「震える牛」 食の安全とは何か。 表紙デザインから海外小説と決めつけていた2012年のヒット作を読了。沢山の人に読まれた理由がよく分かる面白さでした。 主人公は、警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一。身体を壊して第一線から外された身だが、頭… …
2018/07/14 00:55  本記 ▲ top

| メイン |