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『いつかパラソルの下で』
- 2015/04/16(Thu) -
森絵都 『いつかパラソルの下で』(角川文庫)、読了。

厳格な父が交通事故で急死。
呆けてしまった母、厳格さに耐えかねて家を出ていた兄と姉、家に残った妹、
一周忌を前に再び顔を合わせる機会が増えて・・・・・。

他人の理解というのは、こうも難しいものかと思い知らせてくれる作品です。
それがたとえ肉親でも。

父のことを何も知らなかったと反省し、父の知人を訪ね、職場を訪ね、郷里を訪ね、
父という人間のことを事後的に調べる兄姉妹。
しかし、それぞれが語る父の姿は、全く違ったものであり、
父の人生の真実が見えてくる・・・・・いや、果たして見えたのでしょうか。

結局、それぞれの登場人物たちが、自分なりの納得をしたというか、
ストーリーを作ってみただけであり、真実に近づけたのかは誰にも分かりません。
というか、「真実」なるものが実在するのかさえも、怪しいものです。

こういう哲学的なテーマを、
ユーモアを交えた会話を通して読んでいくことができ、
楽しみながらも人生の奥深さを知ることができます。

絶妙なバランス感覚の上に描かれている物語であり、
著者の力量を実感できます。

面白い読書となりました。


いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)
森 絵都

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