『カナリヤは眠れない』
- 2015/04/10(Fri) -
近藤史恵 『カナリヤは眠れない』(祥伝社文庫)、読了。

心の悩みをズバッと解決してしまう整体師のもとに通う患者たちの話。
過労、拒食症、セックス依存症、買い物中毒、詐欺行為など、
現代病ともいえる状態の患者たちが登場します。

テーマ的には深刻にももっていけるのでしょうが、
解決する人が変わり者整体師という設定のためか、ユーモアでまとめています。

そのため、過去に読んだ近藤作品に比べると、
ちょっと軽いというか、浅いというか、物足りないというか。

解決までのプロセスが意外と上手く回っていくので、
あまり葛藤して、克服してという感じではありません。
そこが物足りないのかな。

私が金融業界に身を置くために、カード借金地獄なんていう描かれ方をすることに
そもそも抵抗感があるということも作用しているのでしょう。

金融リテラシーのない人はたくさん居ますし、
自分をもたずに流される人もたくさん居ます。
なのに権利意識だけはやたらと高かったりして。

終盤、美代が、「人間の利用価値」について自説を述べるシーンがあります。
本作では、人間の黒い部分を描くためのシーンなのでしょうが、
私は結構この考え方に共感できてしまいました。
こういう割り切りもどこかで持っていないと人生で痛い目に遭う気がします。

この作家さんには、是非、人間の悪意のようなものをじっくりと
描いた作品を書いてみて欲しいなぁと思ってしまいます。


カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)
近藤 史恵

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