『沼地のある森を抜けて』
- 2015/04/05(Sun) -
梨木香歩 『沼地のある森を抜けて』(新潮文庫)、読了。

軽妙な文体で始まったので、楽しく読めそうだな・・・と期待してたら、
主人公の旧友の男性が登場してきたところで印象が一転。

この男性が、とにかく自分勝手というか、常識が通じないというか、
「え、何でこんなお願いができるの!?」という驚きから始まり、
さらには、それをグダグダ言いながらも受け入れてしまう主人公にも驚き呆れ。
段々と、この人間関係の真相が分かってくる展開にはなってくるのですが、
それまでの間に感じる違和感というか、イライラ感がストレスになります。

しかも、主人公が、何とも奇妙なぬか床の話を、
最初は躊躇いながらも結構簡単にいろんな人に話してしまうことにも驚き。
ぬか床から何かが生まれてくる・・・・・なんて話、他人にはおいそれと語れないですよ。
なんだか、このあたりの「異常への畏怖」のリアリティが感じられません。

リアリティという点では、安世文書の文体が現代的過ぎないかとか、
本州から東南東の場所にある島って、太平洋のただ中なのかとか、
なんだか細かいところが気になり始めて・・・・。

途中で挿入される、あちら側の世界は、ちょっと純文学風で苦手な感じで・・・・。

主人公の軽妙なつぶやきは、結構好きな感じだったのですが、
しかも、沼から生まれる者たちの存在も興味深く読めたのですが、
なんだか小説としてはバランスが悪い印象の方が強く残ってしまいました。


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梨木 香歩

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