『科学の現在を問う』
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- 2015/02/10(Tue) -
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村上陽一郎 『科学の現在を問う』(講談社現代新書)、読了。
JCOの臨界事故、クローン技術の進展、技術者の倫理観など いくつかの具体的トピックスを扱ったエッセイとなっていますが、 個人的には第1章「科学研究の変質」で書かれた 社会における科学者の位置づけの変遷が興味深かったです。 哲学者という立場で、キリスト教的な解釈の下で世界を解明しようとした17世紀。 19世紀には、個別の「科」を専門的に研究する「科学者」となり、 いまや学会などの科学者集団の中で自己完結した存在になっている・・・・・。 最近になって、科学と産業の連携ということが言われ始めていますが、 科学者としての自分の存在意義を見失うと、失敗するだけでなく 大きな後退を生んでしまうのではないかと思います。 STAP細胞の騒動などは、利己心や虚栄心などが勝ってしまった科学者の存在により 科学者全体への不信感を生んでしまったように感じます。 もちろん、iPS細胞のように、実用化が期待されている成果もあるわけですが。 今は、社会の側から科学者に対する不信感が投げかけられているところだと思いますが、 科学者の側から、社会とどう関わっていくのか、社会の中での科学者の役割は何か といったような観点での主張を読んでみたいと思いました。
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