『だから、あなたも生きぬいて』
- 2015/01/31(Sat) -
大平光代 『だから、あなたも生きぬいて』(講談社文庫)、読了。

なんとなく名前を聞いてたことがあるなぁ・・・・・ととりあえず買ってみたものの、
裏表紙のあらすじが、「いじめを苦に割腹自殺を図った・・・」で始まり、
なんか凄そう・・・・としばらく積読になっていました。

転校を機にいじめに遭い、いじめられている状況を誰も助けてくれないことに絶望して自殺未遂、
その後も周囲から白い目で見られ、非行の道へ、そして極道の妻へ。
しかし、養父との再会により、資格試験の勉強を通じて立ち直っていき、最後は弁護士に。

うーん、あらすじを書くと、何なんだこの話は!?という感じですね(苦笑)。
小説だったら受け入れられないようなストーリーです。
あまりの展開の急激さに、一気に読めてしまいました。

しかし、落ち着いて考えると、何だか大きな転機のところが良く分かりませんでした。
著者の決断が、腑に落ちないというか、必然性が共有できないというか。

「いじめを苦に自殺未遂」というのは、残念ながら時々起こってしまうことですが、
ここで「割腹」という方法を選ぶ人って珍しいと思うんですよね。
なぜ、そんな方法を選んだのか、著者の価値観が共有できませんでした。

そして、非行の道への進み方も、何だか急に道を外れた印象が。
何かちょっとしたきっかけで感情が決壊することはあると思うのですが、
そのきっかけが良く見えてきませんでした。

そして、最大の謎が、極道の妻の時代を経た後に、
養父との再会という大きな変化があったことは分かりますが、
そこから「資格を取ろう!」「宅建だ!」「司法試験だ!」となっていくプロセスです。
不良な生活から脱しようと決断することと、資格を取ることの間に
もう少し何かあるような気がするのですが、本作では、この2つの行動が直結しているので
この局面での著者の気持ちが上手く共有できませんでした。

タイトルからすると、著者は当然、同じような苦しい境遇にある人たちに
参考にして欲しいという思いで本作を書いたのだと思いますが、
転換期の描写が曖昧だと、本当に参考になるのかな?と思ってしまいました。

こんな風に、客観的にあーだーこーだ述べてしまう私は、
苦しんでいる方々からすると平和ボケに映るのかもしれませんね。


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大平 光代

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