『ユーラシア大陸思索行』
- 2015/01/18(Sun) -
色川大吉 『ユーラシア大陸思索行』(中公文庫)、読了。

色川大吉・・・・なんだか聞いたことがある名前だなぁと思い、試しに買ってみました。
ヨーロッパから中東を経てインドまで車で横断した記録です。

日本という国をあまりお好きではないようで、結構、毒づいた物言いから始まります。
ま、1970年当時といえば、高度経済成長期の終盤で批判も出始めた頃でしょうから
時代の空気にはフィットしていたのかもしれませんね。

著者は、1人1人の日本人のことは好きで、誇りにも思っているようですが、
日本という国や、また日本を背負って日本の名前を語って何かをしている人が好きではないようです。
この、ちょっと左がかった感じは、私の思想には合わなそうです・・・・・。

ただ、思索行というタイトルの割には、どちらかというと紀行文としての印象が強く、
思想云々のところは横に置いておいたとしても読める本になっています。
(トルコ人の日本愛について、断片的に何度も触れるだけで全然掘り下げて分析してくれないので
 正直、読んでいてストレスが溜まりました・・・・・)

各地域の特徴の描写や風土・文化の比較、特に、国境を越えたときに急変する雰囲気についての
記述が興味深かったです。

大学教授という立場でいながら、車に乗ってユーラシア大陸を横断しようとしう行動力と、
いわゆる「学術研究」の枠組みの常識に囚われないところに驚きました。
こういう異色の学者さんが居ることは、研究の幅が広がって面白いと思います。

そして、もう一つ感じたのは、何とも当たり前のことですが、
道って繋がっているんだなぁ・・・・ということ。

ポルトガルからインドまで、道が繋がっていて、車で行けてしまうんです。
空を飛べる鳥はともかくとして、地を這う生き物にとっては、
これって凄いことだと思います。

人間が道というものを作り、世界中に張り巡らしているというインフラ的な要素だけでも
凄いことだと思うのですが、さらに、地図を作ることで迷わずに行きたいところに行けるということ
そして、たとえ迷ったとしても、現地の人に聞けば正しい道を教えてもらえるという社会性。
なんだか、こういう基本的な部分に感動してしまいました。
人間社会って凄いな・・・・・って。

世界には様々な民族、文明、文化がありますが、
違いはありながらも、ちゃんと繋がっていけるところが凄いと思います。
なんだか語彙が貧相ですみません。


ユーラシア大陸思索行 (中公文庫)ユーラシア大陸思索行 (中公文庫)
色川 大吉

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