『胸の中にて鳴る音あり』
- 2015/01/07(Wed) -
上原隆 『胸の中にて鳴る音あり』(文春文庫)、読了。

一般の人々の暮らしや、その中で人々は何を思い日々を過ごしているかを取材した21編。

このような取材の対象となる人は、
何かにぶつかっていたり、もがいていたり、ある種の諦めのようなものが感じられたり、
何とも斜陽な印象を受ける人たちが多いです。

そういう人たちを取材し、客観的に分析し、評価したものを読んでしまうと、
「なんて意志の弱い人たちなんだ・・・・」と、私は引いてしまうことが多いです。
超上から目線の物言いで申し訳ないですけど。

しかし、著者の本は、同じような境遇の人たちに取材をしながらも、
読んでいて嫌悪感を感じることが少ないです。
それは、きっと、著者が取材対象を分析の対象としてではなく、共感する対象として
見ようとしているからではないでしょうか。
寄り添おうとしているような姿勢を感じます。

本作に登場する人たちの中にも、甘い意識の人は多数居ると思います。
でも、世の中における自分の位置を何となく意識しているようなところがあると思います。
著者がインタビューを通して、そういうことを意識させているのかもしれませんが、
自分の弱さを自覚しているような印象を受けます。
それは、そこから抜け出すために必要なことに気づいているということになり、
読んでいて希望を感じることができます。

本作に登場した中の一人に、
目標を持つことが如何に大切かということを力説している人が居ました。
非常に説得力をもつ言葉だなと読んでいて感じました。

客観的に見ると、社会の中で上手くやっている人々、成功している側に入れている人々でも、
目標を持たずに、ただ流されるままに生きている人も多いのではないかと思います。
明日に向けての具体的な目標を持たずに、ただ今日の延長の明日があるだけの人々。
そして、その空しさに気づかない人々。

目標を持つこと、意志を持つことの大切さをこの本から学びました。


胸の中にて鳴る音あり (文春文庫)胸の中にて鳴る音あり (文春文庫)
上原 隆

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