『はるさきのへび』
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- 2014/12/26(Fri) -
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椎名誠 『はるさきのへび』(集英社)、読了。
珍しくハードカバーの本が実家にあったので持って来ました。 シーナさんの小説。 今まで、冒険モノとかSFモノ、スプラッターモノは読んできましたが、 なんとこちらは家族もの。 子供ができる前後のお話から、段々と成長していく過程を描いています。 夫と妻が父と母になり、しかしお互いに仕事は持っていて、 どちらかが折れたり、気を遣ったり、時には険悪になったり、 非常に日常的な生々しさをもって、しかし筆致は淡々と描かれていきます。 正直、最初は、「シーナさんにこういうのは求めてないんだよなぁ・・・・」と 思ってしまったのですが、しかし、短編が進むにつれて 段々と主人公のキャラクター設定がシーナさんに近づいていくようになり、 最後は、まさにシーナ家のお話になってしまいました。 あとがきを読んで、あ、なるほど『岳物語』の系譜だったのかと納得。 奥様はなかなかな運動家だったのですね。 そして、娘さんが居たのですね。 (ずーっと前に『岳物語』を読んだだけなので、一人息子かと思い込んでました) 親子でカヌーに乗ったりしている姿だけを見ていると、 良い家族だなと思ってしまいますが、 家族それぞれが自主的に自分のやりたいことを精一杯やる家庭だと、 意外とすれ違いの日常を送ることになってしまい、 これはこれで大変そうだなと感じてしまいました。 どこの家庭にも、その家庭なりの事情があるものですね。 シーナさんが、1歳半の娘さんに向けて書いたというお手紙が、じーんときました。
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