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『現代語訳 論語と算盤』
- 2014/12/23(Tue) -
渋沢栄一 『現代語訳 論語と算盤』(ちくま新書)、読了。

今年は、渋沢栄一翁のことをいろいろ勉強する機会に恵まれ、
年の瀬ということで、まとめのつもりで本作を読んでみました。

『論語と算盤』は、渋沢による著作ではなく講演録であり、
講演テーマはや場面、聴衆に合せて語っているため、渋沢の理論を体系として捉えるのは
なかなか難しいように感じたのですが、
それでも、語りかける言葉の優しさと力強さは頼もしいものです。

渋沢の凄いところは、「商売を行うにも道徳が必要だ」というある種の理想論を述べるのではなく、
「正しい行いにより儲けた富は素晴らしいものだ」というように、経済活動、商業活動を
非常に肯定的に評価していることにあると思います。

儲けること、富むこと、豊かになることを肯定することは、
そこから生まれる次のイノベーションを大きく社会が後押しすることになると思います。
そして、「儲けるためには手段を選ばない」「金で何でも手に入れられる」という
社会を毀損する恐れがある思想を経済活動の中心から遠ざけられる健全な社会を
構成するのに重要なことだと思います。
(極端な思想を遠ざけるだけであり、抹殺・封殺してしまわない許容さも、健全性には必要です)

アベノミクスという、ある種の強い意志を持った政治によって国が運営されている今、
渋沢の思想を使って、冷静に社会を見て、政治の方針やプロセス、結果を分析し、
評価と反省を繰り返していくPDCAが重要なんだと再認識しました。


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