『むかしのはなし』
- 2014/10/30(Thu) -
三浦しをん 『むかしのはなし』(幻冬舎文庫)、読了。

いろんな状況に置かれた主人公たちが
自分の過去についての話をするという構成の短編集。
日記あり、音声ディスクあり、調書あり、様々な形態で過去を記録します。

そんな過去が、少しずつ繋がっていき、ある一つの光景へと収斂していく、
点と点が線でつながり、線が集まって面としての光景を描き、
その面が、最後に1つの出来事を映し出す・・・・・・上手く流れていく展開が心地よいです。

各短編の冒頭に、いくつかの昔話のしをん版要約が付いています。
桃太郎、浦島太郎、花咲か爺・・・・・。
数行にまとめられた話は、「なんでこんな展開なんだろ?」と今更ながら疑問を持つものもあれば、
しをんさん、恣意的に要約しすぎ(笑)というものも。

その昔話のエッセンスを下敷きにして短編を読むと、
短編の持つ人間の嫌な面や、そもそも昔話に込められた毒々しさが際立ってきます。
このあたりの仕掛けも上手いですねぇ。

各短編の主人公も、普通の人から見ると、少し引いているというか、
世間というものに背を向けているようなところのある人物が多いので、
その思考回路も興味深く読めました。
その他大勢に流されない強さというか、良い意味での空気を読まない強さというか。

非常に面白い短編集でした。


むかしのはなし (幻冬舎文庫)むかしのはなし (幻冬舎文庫)
三浦 しをん

幻冬舎 2008-02
売り上げランキング : 91748

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL |  三浦しをん | CM(1) | TB(0) | ▲ top
<<『サマータイム』 | メイン | 『FRANK』>>
コメント
-管理人のみ閲覧できます-
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014/10/31 05:36  | | #[ 編集] |  ▲ top


コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/4126-2f9393e2
| メイン |