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『お金で騙される人、騙されない人』
- 2014/10/17(Fri) -
副島隆彦 『お金で騙される人、騙されない人』(幻冬舎新書)、読了。

中身云々の前に、非常にアクの強い著者ですなぁ・・・・・。
読み手を選ぶ文章だと思います。
私としては、てにをはが何だか変な気がして、読みにくかったです。

内容は、様々な金融商品の罠というか、
騙された人の事例を紹介して注意喚起を行っているわけですが・・・・・。
ま、騙されやすい人にとっては、啓蒙書としての意義があるんでしょうね。
金融業の端っこに身を置いている立場としては、
本当に、自分の頭で何も考えずに、大金を投じる人っているんだなぁ・・・・・吃驚ってな感じです。

会社の研修で、金商法だの、特定商取引法だの、割販法だの、
いろんな法律を学ぶ中で、「お客さまへの十分な説明が大事です」「錯誤を起こさないようにしよう」
「消費者保護の観点で、会社側が負けるケースが相次いでいます」というようなことを
何度も何度も叩き込まれるのですが、本作のような事例を見てしまうと、
「何でこんなに無防備なんだろうか・・・・」と呆れてしまうこともあります。

もちろん、世の中には、儲けるためなら手段を選ばない悪質な会社や、
ノルマ達成という目標をはめられて悪事に走ってしまう弱いサラリーマンなどが居て、
高齢者や、認知症の人など、弱者を狙う事件が起きていることは事実です。

しかし、あまりにも安易に、儲け話に乗ってしまう、オツムの弱い人がいるのも事実。
投資って、ハイリスク&ハイリターンか、ローリスク&ローリターンなのであって、
ローリスク&ハイリターンなんて商品が成立するはずがありません。
こんな当たり前のことが、なんで分からないのでしょうか。
普通、100万円稼ぐのに、どれだけの時間と労力と努力が必要だと思っているのでしょうか。

図らずも著者が、

裁判官が守りたいのは、世の中の秩序なのであって、被害者ではない

と言っていますが、当たり前のことだと思います。
汗水たらして得るべき100万円なのに、
他人にお金を預けておけば、いつの間にか100万円が手に入る・・・・なーんてことに
疑問を持たない人間は、ある種、健全な社会からしてみれば、秩序を壊す思想ですよ。
そんな人を守ってくれる法律は無いと思います。
というか、あるべきではないと思います。

文章表現から、登場してくる「被害者面」した人たちまで、
何かとイライラさせてくれる本でした。


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副島 隆彦

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