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『日曜日たち』
- 2014/09/25(Thu) -
吉田修一 『日曜日たち』(講談社文庫)、読了。

最近、吉田作品は長くて重い内容のものが続いたので、
連作短編集をば。

5人の人物の、彼らにとってごくありふれた日曜日の姿を描きます。
時には時間を遡って記憶を呼び出し、なぜ自分が今日、このような一日を送ることになったのか
考えを巡らせていきます。

最初の物語を読んでいたときの印象は、
著者の芥川賞受賞作を読んだときと同じような、
大したコトの起こらない日常を淡々と楽しむ作品なのかな?と思いましたが、

しかし、次の物語を読み進んで、兄弟に出会ったときに、
あ、そういう仕掛けなのか・・・・と。

段々と、この兄弟が幽霊のような感じを受けるようになり、
私の中では勝手にホラー要素が足されてしまう始末(苦笑)。
決して、そうではないのですが、何だか物語に出てくるその唐突感がなんとも幽霊的で。

この5つの物語を読んでいると、
今日という日は、いくつもの過去の積み重ねの上に必然的に乗っかっているものであり、
しかも、私の今日という日は、他の人の今日という日に繋がっているものなんだという、
極めて当たり前の事実を、非常に自然な感じで納得させてくれる作品でした。

面白かったです。


日曜日たち (講談社文庫)日曜日たち (講談社文庫)
吉田 修一

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