『まほろ駅前多田便利軒』
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- 2014/09/20(Sat) -
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三浦しをん 『まほろ駅前多田便利軒』(文春文庫)、読了。
直木賞受賞作。 当時、受賞の報を聞いたときに、「へぇ、こんなポップな名前の作品で取れるんだぁ」という 印象を抱いた記憶がありますが、読んでみても、比較的軽いタッチだと思いました。 ただ、ときどきズバッと心に刺さる言葉が出てきたり、 重たいテーマを裏側に抱えていたりと、なかなか油断できない作りになっています。 解説で、鴻巣友季子さんが「文章に自分のスタイルがある」と評していますが、 まさにそのとおりだと思います。 しをん節というのでしょうか、軽いタッチで気持ちよく読めて、しかもドキッとさせられます。 私が買った文庫本は、映画化された当時のもののようで、 表紙が瑛太さんと龍平さんが並んだ写真だったのですが、 まさに、この2人を当てはめて、多田と行天の日々を頭の中に思い描けました。 ハードボイルドっぽい雰囲気を漂わせながら、 女性の感覚で、現実世界から逸脱しない範囲にお話をまとめているように思います。 ぶっきらぼうさと、大胆さと、人情との加減が心地よいというか。 ま、これは男性読者さんにはフィットするのか分かりませんが。 しをん作品は、他にも読みたいものがたくさんあるので、 早く100円で見つけられることを祈願。
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