『最澄と空海』
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- 2014/09/11(Thu) -
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梅原猛 『最澄と空海』(小学館文庫)、通読。
著者による講義録になるんですかね。 個人的な仏教とのお付き合いからすると、 母方の宗派が真言宗なので、お経(というか真言)は耳に馴染みます。 オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン 一方で、父方は浄土宗なので、法然さんとか親鸞さんとかの本は読んだことがありますが、 その源流を辿ると出てくる最澄という人は、正直、教科書どまりの知識でした。 本作では、まず、最澄の人となり、その教えについて解説されています。 平易な言葉で述べられているので、読みやすいです。 ただ、読みやすさ重視のためか、それほど深く踏み込んだ仏教思想を説くものではありません。 しかし、やはり、その思想の幅広さや奥深さ、 そして時代を変えたエネルギーを思うと、すらすら読める気になっているだけで じっくり読み込もうとすると骨が折れます。 正直、書かれている文章の奥にある思想の厚みにたじろぎ、 今回は表面をなぞるだけの読書となってしまいました。 それも、前半の最澄で力尽きてしまい、後半の空海は流し読み・・・・・・ごめんなさい。 読みながら考えていたのは、ビジネスの側面で考察すると、 日本という市場に仏教が入ってきて、一部のエリートに信仰されていた奈良時代、 そこで一旦、市場の成長が停滞してしまった時機を捉えて、 勉学・知識・教養の対象から、信仰へと顧客層を広げたのが、最澄と空海だったのかなと。 南都六宗は、イノベータ層を対象としていたのが、 天台宗や真言宗は、アーリーアダプタ層まで巻き込むことに成功したのかなと思いました。 で、その次の法然や親鸞がアーリーマジョリティに拡大し、庶民をも巻き込んだと。 不敬なものの見方かもしれませんが、 日本における仏教信仰の浸透という観点では、 こういう整理も分かりやすいかなと思いながら読んでいました。 こんな脇道から眺めるような読書だったので、後半は息切れしたのかな(苦笑)。
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