『47都道府県女ひとりで行ってみよう』
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- 2014/09/02(Tue) -
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益田ミリ 『47都道府県女ひとりで行ってみよう』(幻冬舎文庫)、読了。
タイトルを見て、面白そう!と買ってきました。 単なる47都道府県の訪問記かと思っていたら、 毎月必ずどこかに旅行するというるルールあるもの。 つまり、47ヶ月かけての連載企画というわけです。 なぜ、こんな制約が必要なのかというと、著者が、「旅行下手」なため。 地元のグルメに興味なし、有名観光地にも大して関心なし、 下調べはほとんどしないので空振りあり、人との触れ合いは御免被りたい・・・・、 これで、よくまぁ、47ヶ月間も企画が続いたなぁというのが正直な感想です。 いわゆる「旅行好き」の人の目線とは違うので、 着眼点が斬新だったり、旅先のモノゴトに対して容赦のない批判をしたり、 面白く感じるところもあったのですが、読み進むにつれて段々と心のギャップが生じ・・・・。 ギャップの理由ははっきりしていて、 著者が、あまりに、自分の周囲の出来事に対して無関心だから。 自分が周りの人からどう見られているのかというところにばかり目が行き、 自分が周りから何を吸収できるのかということには、一切、目が向かないんです。 あまりに自分中心的。しかも、その半径がめっちゃ狭い! 私の中で、「作家=読書好き=知識欲の塊=変なことまでいろいろ知ってる」という 公式が出来上がっていたのですが、ものの見事にこの式の例外になってくれるのです。 我が故郷、三重県は幸いにも2番目に関心を向けてもらえたのですが、 なんと、松阪市のことを知らないなんて・・・・。 松阪市が三重県にあることを知らない人は普通にいると思うのですが、 「松阪牛」の「松阪」が、地名だと知らない人って、想像の範囲外でした。 うーん、こんなモノ書きも居るのか・・・・・。 ま、和田金のおもてなしについて好意的に書いてくれてたのが救いですが。 基本的な知識がないというだけでなく、 知らないことについて「知りたい!」「調べよう!」という衝動が湧いてこないということにも驚き。 「水戸偕楽園が世界で2番目に大きい公園」と紹介されていて、私、世界No.1を調べちゃいましたわよ。 でも、著者は、関心がないと言う。 「関心がない」ということをエッセイに書いて、「知らない」という事実でお金を稼いでいる。 うーん。 知識欲とか、交流欲とか、 そういうものの強弱の度合いは、人それぞれなので、私がどうこう言う話ではないのですが、 なんだか、凄く勿体無いなぁ・・・・と感じてしまう47都道府県の旅でした。
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