『受城異聞記』
- 2014/08/24(Sun) -
池宮彰一郎 『受城異聞記』(文春文庫)、読了。

5つの作品が収められています。

表題作「受城異聞記」は、幕府がふっかける無理難題に藩滅亡の危機を覚え、
厳冬の北アルプス越えに挑戦する男たちの話。
新田次郎作品を髣髴とさせる自然と闘う人間の姿と、
本来はやらなくても良いことを組織の名誉にかけてやらされている受難の姿とが
二重に思い浮かんできました。

「絶塵の将」は、福島正則が主人公。
この人の出自を詳しく知らなかったので、以前、司馬氏が正則を馬鹿呼ばわりしているのを目にし
ちょっと嫌な感じを受けたのですが、主人公である本作でも、知性に関しては同じような扱いで。
部下を思いやる将だったと書かれているだけでもプラス評価ですかね。

「おれも、おまえも」が一番面白かったです。
茶屋四郎次郎の目を通した、天下をとる前の徳川家康のお話。
商人の容赦のない人物評価と、家康の独特の性格とが
上手く絡み合って、味わい深い短編になっていると思います。

「割を食う」は、ちょっと理論臭いところが読みづらい印象でした。
「けだもの」は、犯行の内容が残忍なら、捕まえた後の拷問も酸鼻。
最後の結末もいろんな人の無念の犠牲の上に成り立っていて、
読むのが苦痛に感じました。


受城異聞記 (文春文庫)受城異聞記 (文春文庫)
池宮 彰一郎

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