『「大発見」の思考法』
- 2014/07/21(Mon) -
山中伸弥、益川敏英 『「大発見」の思考法』(文春新書)、読了。

STAP細胞の話題は、遠い過去のような気がするようになってしまいましたが(苦笑)、
その反動か、iPS細胞について、もしくは山中先生について関心が高まりました。

まともな科学者というのは、どういう思考、態度を持っているのか、
物理学者の益川先生との対談で、学ぼうという魂胆です。

まず、この対談で感じたのは、科学者同士が相手に対して多大なる敬意を持っていること。
年齢からしても、ノーベル賞受賞という世間的な評価からしても、
益川先生の方が上からモノを言っておかしくないと思われるのに、
山中先生に対して丁寧な言葉遣いであり、また、山中先生の発言を真摯に受け止められています。
社会科学系の先生の対談では、自分の言いたいことを語りまくって相手の話を聞いてない
ということが往々にして起きますが(苦笑)、自然科学の先生は紳士ですね。

そして、対談の内容で改めて確認できたことは、
「ある道を極めている人は、必ず、他人に語りかける言葉を持っている」という私の持論。
これは、学問分野や、職業、年齢に関係なく、
自分の信念を持って仕事に当たっている人に共通している特徴だと思っています。

正直、iPS細胞が今後の医療の分野でどれだけ期待されているかということはともかく、
クオークが4つだとか6つだとかいう話は、ちっとも理解が及びません(苦笑)。
でも、その研究成果が、物理学という世界においてどのようなインパクトを持つことで、
どれだけ世界中の研究者たちを刺激し、後進の育成を後押ししたものか
そのエネルギーは感じることが出来ました。

このエネルギーを感じさせる力、さらには、門外漢の私にさえ刺激を与える力を
ある道を極めた人は持っており、それを効果的に伝える言葉を有していると思うのです。

この前読んだ村上龍さんのエッセイにも書いてありましたが、
勉強すれば自分のプラスになるということを大人社会が子供に見せることができたら、
子供は放っておいても勝手に勉強をする、まさにそのとおりだと思います。

益川先生や、山中先生が、活き活きと自分の研究成果や
科学者としての仕事の面白さ、世界と自分のつながり等を話す姿を見れば、
自然と子供たちは物理学や生物学、はたまた学問そのものに興味を持って
勉強し始めるのではないかと思います。

優秀な大人が、大人社会における自分の役割の成果や面白さを
本でも、テレビでも、講演でも、どんな形でもよいので、
もっともっと語れる場を作ること、そして、最初は多少強制的でも良いので
子供たちにそのような場に参加させることが大事なのではないかと、
いろいろ思いを巡らせる読書となりました。


「大発見」の思考法 iPS細胞 vs. 素粒子 (文春新書)「大発見」の思考法 iPS細胞 vs. 素粒子 (文春新書)
山中 伸弥 益川 敏英

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