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『永遠の出口』
- 2014/07/09(Wed) -
森絵都 『永遠の出口』(集英社文庫)、読了。

前に読んだ作品は合わなかったのですが、本作で再チャレンジしておいて良かったです。
この本は面白かった!

主人公の小学校4年生から、高校3年生まで、
主人公の人生に変化や転換、成長のきっかけを与えた出来事を描いた連作短編集です。

私は、特に小学校時代の章にはまっちゃいました。
ちょっとしたことで生じる、友達との間の隙間、そして仲間はずれへと続く展開。
子供の残酷さ、特に少女の排他性と凝集性を良く描いていると思います。
そんな中で、主人公は、比較的冷静な目で事態を捉えているので、
展開がどん詰まりにならずに、次へと繋がっていくことが出来ています。

ところどころに登場する、大人になってからの主人公の言葉により、
いかに子供の世界が狭い中で成り立っているのかを思い知りますが、
一方で、世界の中で自分が主人公だと信じて疑わない心は、
大人になるとどんどん失っていき、自分を世界の脇役に追いやってしまうのだなという
悲しい現実も思い知ります。

中盤、中学校に入ってからの主人公の変貌ぶりには驚きました。
あまりに急展開過ぎるだろう、劇的な人生に描きすぎだろうと、
その物語の作り込みの仕方に、読者として作品に少し距離を置いてしまいました。

ただ、よくよく考えると、いわゆる不良な若者はどの時代にも一定人数居ますが、
それが全員不良青年や不良中年に持ち上がっていくわけではなく、
いつの間にか不良らしい生き方をしている人たちは、その世代の中で減っていっています。
つまりは、何かがきっかけで「一般人」の生活に戻っているわけで、
そのきっかけとは、学校の卒業であったり、就職であったり、結婚であったり、
ま、意外とあっさりとした理由なのかなとも思いました。

そうすると、本作の主人公の辿った人生も、
ある意味、標準的な不良さんの人生だったのかも。
このあたりは、親戚や親しい友人にその手の人たちが居ないので、想像するしかないのですが・・・・。

バイトに明け暮れた高校生活では、
中学時代の反動なのか、やたらと良い子になっているような気もしましたが、
ま、最後は、上手くまとめた感じで、気持ちよく読み終えられました。


永遠の出口 (集英社文庫(日本))永遠の出口 (集英社文庫(日本))
森 絵都

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