『さよなら渓谷』
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- 2014/06/30(Mon) -
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吉田修一 『さよなら渓谷』(新潮文庫)、読了。
先日読んだ『悪人』に引き続いて、 犯罪と加害者と被害者の不思議な関係を描いた作品でした。 普通の頭で考えると、 この作品で描かれたような人間の結びつきは あり得ないことだと考えますし、異常だとも考えます。 でも、なぜか、この作品を通して物語を追っていくと、 こんな人たちも居るのかもしれないという気持ちになりました。 『悪人』でも思いましたが、アンバランスな人間たちの物語です。 『悪人』は、どちらかというと、環境によりアンバランスな状態に追い込まれた感じが強く、 本作では、自らの行動の選択により、アンバランスな状態に陥った印象ですが。 なぜ、そういう行為でアンバランスさを解消しようとするのか・・・・・ 安全な日常に居る私には、不可解な判断に思える彼らの行動にも、 アンバランスさを解消させる何かを期待してのことだったのでしょうね。 人間とは、難しいし、やはり怖い存在です。
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