『日本が嫌いな日本人へ』
- 2014/05/15(Thu) -
呉善花 『日本が嫌いな日本人へ』(PHP文庫)、読了。

最近、著者は祖国との間でいろいろ揉めているようで、ニュースになってますね。
神保町で100円で見つけたので、試しに買ってみました。

雑誌の連載をまとめたものということで、
体系だった日本人論とまではいかないのですが、
韓国人などと比較しての日本人論として興味深く読みました。

あんまり、祖国である韓国を低く評価していると、
その反動で日本贔屓になっているのではないかと疑ってしまいますが、
全体のトーンはともかくとして、1個1個の事象の解説はナルホド!でした。

最近の沈没事故にまつわる韓国人の行動を見るにつけ、
あぁ、教育というのは重要なんだな・・・・・とつくづく感じてしまいます。

それは、反日教育とかいう特定の話ではなく、
また、学校での教育というような狭い範囲での教育の話でもなく、
家庭教育、学校教育、地域教育、文化全体からの教育といった、
広い意味で人間として学んでいくプロセスや環境の問題です。

なぜ船舶スタッフとしての責任ある行動が取れないのだろうか、
なぜ国家として危機管理ができていないのだろうか、
なぜ子供たちは危機的状況を察知できなかったのだろうか、
なぜ遺族たちは感情を露にするだけで協力し合おうとしないのだろうか、
なぜ、なぜ、なぜ、ばっかりです。

特に、あの高校生たちが遺した写真や動画を見ると、本当に残念な気持ちになります。
彼らの前には、本来、長く輝かしい人生が待っていたであろうに。

そして、教育への不安な思いは、
何も韓国だけの話ではなく、日本においても心配になることがあります。
震災以降、助け合う日本人とか、耐える日本人、真面目な日本人といった
長所がクローズアップされるようになっていますが、しかし、日々のニュースでは
やっぱり、どこか日本人はおかしくなってるのではないかと思わざるを得ない
残念な話もたくさん耳にします。

ごく限られた層で起きていることだ・・・と言い訳できないような事態になっているのではないか、
地盤沈下が起きているのではないかと危惧してしまいます。

また、他の国と比較したときに、ついつい「これは国民性だ」「それは独自の文化だ」と
いうような言い方をしてしまいがちです。
特に、今のようにナショナリズムが台頭し、嫌韓、反中のような言説が飛び交うときには、
しかし、国民性も文化も、結局は、教育が積み重なった結果のような気がします。
日本の助け合いの精神も、紐解いていけば、祖先が自分の子供たちを教育してきた結果なのだと。

日本と韓国と中国では、選んだ教育の内容や、優先順位が違ったために今が違うのであり、
つまりは、日本も選択によっては、韓国や中国のような状況になりうるのではないかと思うのです。
だって、かつての日本は、中国から多くのことを真似、学び、カスタマイズしてきたのですから。
(中国は自らの手で、その分厚い教育と文化の積み重ねを廃棄してしまった感がありますが・・・・・)

自分自身や家族を守れる知恵と勇気を身につけられるか、
他人を思いやれる優しさを身につけられるか、
他人から学ぶ謙虚さを身につけられるか、
よりよい人生を得て、またよりよい社会に住めるようにするには、
土台となる教育が本当に重要なものだと、改めて感じ入る今日この頃です。


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呉 善花

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