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『ななつのこ』
- 2014/02/23(Sun) -
加納朋子 『ななつのこ』(創元推理文庫)、読了。

なんとも複雑な作りの作品でした。

主人公が読んだ短編集に登場する7つの物語。
そのそれぞれに謎解きがついており、安楽椅子探偵が解決します。
で、主人公の身の回りでも、その物語を連想させる謎が起こり、
短編集の作者との間の文通で、作者が謎を解いてくれるというもの。
しかも、文通にとどまらず、作者の周囲の人間が日常に登場し始め・・・・。

とまぁ、三重の関係が出てくるので、
気楽に読み始めたつもりが、頭を使う羽目になってしまいました。

主人公が作者にファンレターを送る経緯はまぁ自然でしたが、
その後、作者と文通が始まる展開がやや無理な印象。
しかも謎解きのやり取りですからねぇ。
その無理さ加減の理由は、最後に明かされるのですが、
うーん、あんまり好きな結末ではなかったです。
ま、途中の都合のよい展開も全てここに原因があるので、
ある意味、不自然さを解消する結末ではあったのですが・・・。
好みの問題ですかね。

ただ、1つ1つの話は面白かったです。
ちょっと文章がくどいところはありますが、
ま、文学少女のクセみたいなものかな・・・と大目に見られる感じです。

あと、文中に「アベック」とかいう単語が出てきたのでビックリ。
勝手に30代ぐらいの若手作家さんだと思い込んでたのですが、
読み終わってから調べたら、50歳手前の方なんですね。
うーん、文章の冗長さは年齢から来るものかしら?
若作りしようとしたら、くどくなったという感じ。

ま、でも、ふんわりとした温かさがあります。


ななつのこ (創元推理文庫)ななつのこ (創元推理文庫)
加納 朋子

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2015/05/20 08:21  たくのみ雑記帳 ▲ top

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