『ゴールデン・スランバー』
| ||||
- 2014/02/16(Sun) -
| ||||
伊坂幸太郎 『ゴールデン・スランバー』(新潮文庫)、読了。
今日は、美術展でも見に行こうかと思っていたのですが、 朝起きたら風は強いし、雪は残ってるし、風邪ッぴきの咳も残ってるしで、 結局、終日、家でウダウダ。 時間が有り余ってるので長編小説に挑戦ということで、本作をば。 仙台で開催された人気者首相のパレード中に ラジコンヘリに着けられた爆弾が爆発。首相夫妻が暗殺された。 その実行犯として、なぜか追いかけられることになった青年は・・・・。 最近、陰謀論の本を読んだばかりだったので、 まさに陰謀論ど真ん中の本作は興味深かったです。 警察機構(というかその裏側の政治組織)に罪をなすり付けられ、 必死にもがこうとするものの、情報を集める方も流す方も押さえている権力機構に 太刀打ちできるはずもなく・・・・。 佐藤優ワールドばりのはめられっぷりで(苦笑)。 いつもの伊坂作品のとおり、時間軸が前後するので頭を使わされましたが、 それでもテンポの良い展開と会話の妙を楽しめました。 ただ、中盤、突然登場してきた別の事件の犯人に必然性が感じられず、 さらに医者の絡み方も不自然な印象を受けました。 伏線の回収の仕方が、あまり丁寧でないなぁ、伊坂作品らしくないなぁと。 最後の広場での展開も、思い描いていたほどには劇的でなく、 あら、こんなもんか・・・・というのが正直な感想。 脇役たちも、現実世界の感覚からすると違和感満載のキャラが多いのですが、 その謎もあまり明確にされることなくお話が閉じられてしまい、 謎が謎のまま残ったというか、深く考えるだけ無駄なのかと思ってしまうほど。 まぁ、第三部において、20年たっても事件の真相は闇のままということが示されているので、 物語の核心はうやむやなままなんだろうなとは思っていたものの、 ここまでフワッとしてると、自分一人ポツンと取り残された感が。 話を広げすぎちゃった感じですかね。
![]()
|
||||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック | |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/3695-90ca118b | |
|
| メイン |
|