『ウメ子』
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- 2014/02/15(Sat) -
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阿川佐和子 『ウメ子』(小学館文庫)、読了。
阿川佐和子女史による初の長編小説とのこと。 幼稚園で出会ったウメ子との日々を子供の目線で描いています。 ウメ子という背伸びしているキャラクターの設定が可愛らしく、 彼女の行動力が何を巻き起こしてくれるんだろうかとワクワクします。 一方で、何だか乗り切れない部分があったのも確か。 「いったい時代設定はいつ頃なんだろう?」とか 「幼稚園児が一人で通園するの?」とか 「幼稚園児2人の家出を親に連絡せず4日も預かるなんて・・・」とか いろいろ疑問が。 乗り切れない最大の理由が、 幼稚園児の視点で描いているはずなのに、やけに大人っぽい観点が入ってくること。 そもそも幼稚園児が、周囲の大人たちの会話なり、自分の置かれた状況を 100%理解しているとは思えません。 なのに主人公は、大人の会話を難しいなりにそのまま素直に理解しています。 この設定は無理があるだろうと。 理屈っぽく理路整然と状況を理解して行動しているところも 幼稚園児とは思えません。 てなわけで、大人が幼稚園児のフリをして冒険しているような 変な印象を受けてしまう作品でした。
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