『暴走する「地球温暖化」論』
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- 2014/02/08(Sat) -
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武田邦彦、池田清彦、渡辺正、薬師院仁志、山形浩生、伊藤公紀、岩瀬正則
『暴走する「地球温暖化」論』(文藝春秋)、通読。 正直、もういいかな・・・とは思っているのですが、 結構なメンバーが揃ってたので、つい買ってしまいました。 温暖化懐疑論および否定論の論者の皆様です。 ただし、内容的には、それぞれが主張したいことの寄せ集めのような感じで、 本作を読めば体系的に理解できるというものではありません。 それと、特段、新しい論点提示はなかったです。 懐疑派の主張に関しては、まともな本を一冊読めば、 だいたい論点が把握できると再認識しました。 では、本作を読んで何を思ったのか。 それは「なぜ脅威派と懐疑派の議論は、いつまでたっても噛み合わないのだろうか」ということ。 本を読んでも、Web上の議論を読んでも、勉強会みたいなところに言っても、 正直、お互いの主張をし合ってるだけで、議論が真正面からぶつかってることってないですよね。 仮にぶつかってたとしても、単語レベルの微細な話をつつき合ってるだけだったりして。 本作では、薬師院仁志氏が、懐疑派の立場で本を出し、 その後、機会があるごとに、脅威派からの論破を求めてきたにも関わらず ほとんど反応がなかったというところを興味深く読みました。 私は、温暖化問題は社会科学系(つまり政治・経済・思想)の問題だと思っているので こういう自然科学的な問いかけに対して真正面から回答するメリットが ないんだろうなと考えています。 そのメリットは、脅威派だけでなく、温暖化ビジネスという点では懐疑派も享受しているかも。 というわけで、温暖化論争に関しては、 脅威派か懐疑派のどちらかが、「これ以上続けたら損する」と判断して下りない限り、 大した議論の成果も生まないままに、継続されていくんだろうなと思っています。 その認識を強くした読書でした。 あと、池田清彦センセは期待を裏切らない清彦節(笑)。
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