『セリヌンティウスの舟』
- 2014/02/08(Sat) -
石持浅海 『セリヌンティウスの舟』(光文社文庫)、読了。

読み終えての最初の感想。
うーん、こんな理屈っぽいダイバー仲間は要らないな(爆)。

石持作品らしい理屈っぽさ全開。それは私の苦手とするところなのですが(苦笑)。

石垣島で荒れた海上を2時間漂流するという事故に遭遇した6人組。
その時の経験から深い絆で結ばれ、信頼できるダイビング仲間となっていたが、
ある日、6人で部屋飲みをした日の夜、雑魚寝をする中で1人が自殺した・・・・・。

もうね、「みんながいる部屋で自殺しよう」と思いつく時点で
ダイビング仲間としては、「超迷惑なヤツ」ですよ!
独り善がりな世界観に巻き込むんじゃない!と。

ところが、このお仲間たちは、彼女の遺志とでも言わんばかりに
自殺の真相を議論し始めるんですよね。

石持作品でいつも気になるのは、こういうところ。
「死」とか「生命」とかを、議論の「材料」にしてしまうところ。
感情を置き去りにして、みんな「理路整然と考えること」に熱中しちゃうんですよね。
これで友人なのか???と、いつも疑問を抱いてしまいます。

本作では、途中で1人が「こんな議論は無駄じゃないか」という意見を出しますが、
それも随分後になってから。なぜ最初にそう感じる人が出ないのか非常に疑問。

あと、本作に関していえば、
これだけの事故に遭いながら、事故の日の夜には「また皆で潜りに来よう!」と
あっけらかんと決めている神経も、ダイバーとして理解できません。

さすがにここまでの遭難事故に遭ったことはないですが、
先日、グループの1人を海中で見失って、
他のボートに拾ってもらってたことが後で分かったときには、
自分たちは安全な側に居たとはいえ、ゾッとしましたよ。
そして陸に上がってから即座に反省会。ガイドが全員の行動を確認。
ロストしちゃった人が、まだ初心者レベルだったので、
特にバディと、アシスタントができるプロレベルのメンバーには、
いつ、どこで、どのようなポジション取りをして、どこまでその子を見ていたのか、
どこで見失ったのか、そりゃ一生懸命反省会をやりましたよ。みんな萎れながら。

もうひとつ。
石垣島まで来たら、海が荒れてても、勿体無いからダイビングする!
これも半信半疑。
ダイバー側には、そう思う人が居るのは事実。特に始めたばかりの人は。
でも、現地のショップや船長の判断は、結構シビアです。
伊豆大島や八丈島で、「この海じゃぁ無理そうだな」と思いつつも、
念のため「潜れませんかねぇ?」と聞くと、「ダメ!」「無理!」の一言で終わりです。
その明快な言葉をもらって、こっちも納得。だって、目の前で海が荒れてるんですもの。

台風が来ていることが分かると、こちらが島に行く前から
「海が荒れて湾内しか潜れないかもしれませんけど、島に来ますか?」と
ご丁寧にも確認の電話が来たりします。それでキャンセルしたこともあります。
ま、私は沖縄では潜ったことないので、過当競争の沖縄なら、
本作のような展開もありうるのかもしれませんが・・・。

てなわけで、不満があれこれ溜まる作品でした。


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石持 浅海

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