『鷺と雪』
- 2014/02/08(Sat) -
北村薫 『鷺と雪』(文春文庫)、読了。

ベッキーさんシリーズ
、間違えて最終巻を読んじゃいました(苦笑)。

直木賞受賞作です。
それを聞かずに読んだら「あぁ、面白かった」となるところですが、
そう聞いてしまうと「本作で受賞するべきなのかなぁ?」と
相変わらず、直木賞の間の悪さを思わずにいられません。
でも、やっぱり、私が読んだ北村作品の中では一二の出来のような気もします。

戦前の上流階級の世界を、お嬢様の目で映しているのですが、
日常の謎解きという本題よりも、戦前の世相と、また戦争前夜という歴史的な位置づけの
両方がうまく描写されている作品だと思います。

やや政治的メッセージ性の強さが、特に本作の最後の十数ページは、
「この立場の人間が、この環境でこんなこと口走るか!?」と気になってしまいましたが
まぁ、そこはご愛嬌ということで。

本作はブルジョア階級のお話ですが、
ところどころに庶民の暮らしを垣間見るシーンが出てきます。
両者の対峙により階級社会を嫌でも感じさせてくれますが、
現在の世の中も、対峙が巧妙に隠されているだけで、
階級もしくは階層というのは、確実に存在すると思います。

それらが無いと思い込もうとしてる日本人、
または、本気でないと思っているのんきな日本人、
平等や権利を無闇やたらと口にする一部の人々、
本作を読んだなら、今の時代にもしっかりと目を向けたほうが良いと思います。


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北村 薫

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