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『市塵』
- 2006/09/02(Sat) -
藤沢周平 『市塵』(講談社文庫)、読了。

初めてこの作家さんの作品を読みましたが、
さすが人気作家だけあって、面白いですね。

表面的なことしか教えない学校での日本史教育のせいか、
「政治を取り仕切った将軍の側近」と聞くと
裏で権力を握った悪人と言うようなイメージで捉えがちですが、
この作品で述べられていた新井白石は筋の通った論旨で建議をしており、
有能な政治家だったようです。
(もちろん「物語の主人公」として美化されている部分も多々有るとは思いますが)

また、間部詮房の人間性が面白く描かれており、
私などは白石よりも間部のほうが興味深かったです。
ただし、この手の人物は、描き方一つで、口八丁の大悪人にもなりそうですが。

そして、彼らが使えた6代将軍家宣は、
日本史を勉強した際には、「歴代の徳川将軍を挙げてみよう」
なんていうときにしか名前を思い出さないような
非常に印象の薄い将軍だったのですが、
この作品で、知性も徳も人間味もある将軍であったことがわかり、
彼が没する件では、泣けてしまいました。
そして非常に立派な最期に感動もしました。

家宣の時代を主に描いているため、
8代将軍吉宗の治世の描写は必然的に否定的な調子になってしまうのでしょうが、
吉宗が文盲であったという記述にはびっくりしました。

気になったのでネットで調べてみましたが、
室鳩巣の言葉として残っているだけのようです。
しかし、出自は将軍としてはちょっと異色のようで、
そのあたりのエピソードも初めて知りました。

歴史物は興味がとめどなく広がっていくので、はまりますね。

市塵 (上)
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