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『地球と一緒に頭も冷やせ!』
- 2014/01/29(Wed) -
ビョルン・ロンボルグ 『地球と一緒に頭も冷やせ!』(ソフトバンククリエイティブ)、読了。

地球温暖化説への懐疑派として有名な著者の本が
ブックオフで500円だったので買ってきました。

様々な角度から、温暖化説への疑問をぶつけていますが、
自然科学的な観点での疑問は、これまでに読んできた本と被っている内容が多かったです。
しかし、社会科学的な観点での疑問の投げかけは、興味深く読みました。

同じコストをかけるなら、もっと人間の生命の危機へのインパクトの高い案件があるのでは?
温暖化で死ぬ人ばかりスポットが当るが、冬の厳しさが和らいで助かる人も多いのでは?
なぜ足元の何万人もの交通事故の死者よりも100年先の温暖化で死ぬかもしれない人を心配するの?

これらの疑問に対する、著者の回答は、

ぼくたちの最終的な目的は、温室効果ガスを減らすことや、温暖化を止めること
そのものではなく、人々の暮らしや環境の質を改善することだ

この言葉に尽きると思います。大納得。

いくつか温暖化の本を読んできて、今、私の頭の中では、
温暖化の議論は、自然科学の頭ではなく、社会科学の頭で考えるようにしています。
「この主張が実現すると誰が得するの?」という問いかけを常にするようにしています。
ある意味、科学的に正しいかどうかは、二の次になってきました。

そういう意味では、原発問題と似たような問題を抱えているように思います。
「技術が確立されているのか」「リスクはコントロールできるのか」ということよりも
「どんな主張をすると誰に受けるのか」という観点です。

原発問題と温暖化問題を繋げて論じる勢力も大きくなってますし、
なかなかこの分野の話は、腰をすえて勉強しないと理解しにくくなっちゃってますなぁ。


地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
ビョルン・ロンボルグ 山形 浩生

ソフトバンククリエイティブ 2008-06-28
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