『地球温暖化論』
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- 2013/12/28(Sat) -
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伊藤公紀 『地球温暖化論』(日本評論社)、読了。
またまた温暖化論に関する本です。 気象学者ではない物理学者が書いた温暖化論についての考察。 基本的には懐疑派の立場です。 特に温暖化論の支持派でも懐疑派でもない立場で、 素直に温暖化論の内容に触れて、感想をまとめたら懐疑派の見解になったという印象です。 やっぱり、シミュレーションの考え方などが 非常にお手盛り感満載のようで、そこへの指摘が様々な角度からなされています。 しかも、語調が、糾弾するというものではなく、「なぜこう考えるんでしょうかね?」という 穏やかに疑問を呈する感じなので、余計に説得力があるように感じられます。 本文は、対話形式で、専門化がアマチュアに教えるという体裁になっていますが、 これも、わかりやすく解説するという点で効果的でした。 例えば、温暖化対策についての説明では、 二酸化炭素が増えれば自然環境が悪化するということは必ずしも分かっていないとしながら、 それでも二酸化炭素の排出量を減らそうとするのは、 高校の規則で茶髪を禁止するようなものだと。 茶髪にすれば即不良化するわけではないが、茶髪にすると不良と交わる可能性が高くなる、 だから茶髪にすることを禁止するのだと。 この考え方は、なるほどー。 ま、二酸化炭素が温暖化を招いているのか疑問ですし、 1℃温暖化することは本当に悪いことなのか私には判断できませんが、 二酸化炭素の排出量を減らすための技術革新は、 省エネ化とか、他の公害物質の抑制にも効果がありそうなので、 一定の費用をかけて取り組みのは良いことかと思いました。 また、著者は、日本では温暖化支持派が原発推進派と近い関係にあるということで、 反原発の立場から、この本を書いたようなところもあるようです。 初版が2003年の発行ですので、3.11以降の原発問題にまつわる言論とは一線を画し 原発問題についても冷静に語っているので、好感が持てました。 (ただし、私は、原発問題については著者と立場を異にしますが) 経済的な観点や政治的な観点も含め、 幅広に分かりやすく、しかも冷静に温暖化問題を取り扱っている 非常に良い本だと思います。
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