『忍びの国』
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- 2013/11/17(Sun) -
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和田竜 『忍びの国』(新潮社)、読了。
能『阿漕』で、地元の歴史に目が向いたので、 その流れで本作をば。 伊勢の国と伊賀の国に跨った、忍びと武士の戦い・・・・、 いや、そんな単純なものではないですね。 忍びと元忍びの戦い、上司の地侍と部下の下人の間の紛争、 忍びの者同士の間での銭争い、織田家と北畠家の間の恨みつらみ。 なんとも様々な要素が絡み合っているのですが、 そのそれぞれが見事に描き分けられていて、非常に面白く読めました。 なんせ、銭のためなら裏切りなど微塵も意に介さない忍びの者たち、 次にどんな展開になるのか読めません。 そこに武士のプライドやら、強気な武家の女などが絡んできて、 しかも忍びのものにピッタリのスピード感で展開していくので、 読む手を止められませんでした。 伊賀の忍びを、ここまで守銭奴に描いた作品は初めてですが、 私はそれほど下衆な印象を受けませんでした。 ある意味、本音で生きている人たちとして、 この割り切り方の潔さに惹かれました。 一方で、北畠家の家臣たちのプライドも、それはそれで納得できるところがあり、 伊勢の者も伊賀の者もカッコイイじゃないかと思ってしまいました。 これって、同県人のひいき目かしら(笑)。 和田作品はお初でしたが、 他もどんどん読んでみたいと思わせる出来でした。
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