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『阿漕』
- 2013/11/15(Fri) -
のうのう能 『阿漕』

人生で初めて、能というものを鑑賞しました。
初心者向けの「のうのう能」というシリーズで、演目は『阿漕』です。

実は、能そのものにはあまり興味がなかったのですが(爆)、
とある美術館に置いてあったチラシを端から眺めていたときに、
「阿漕」という言葉が目に飛び込んできました。

世の中的には「お主もあこぎな奴よのぉ~」というフレーズで知られていますが、
実は、この由来となった「阿漕ヶ浦」は、私の地元にあります。
その昔、阿漕ヶ浦は、伊勢神宮に奉納する魚を獲るため一般には禁漁区だったのですが、
病気の母に栄養をつけさせようと、夜に忍び込んでヤガラを獲った平治。
しかし、海岸に笠を置き忘れてしまい、漁がばれて死刑となってしまうという
悲しい親孝行話が残っているのです。

ここから「あこぎ=無慈悲に金品をむさぼる」的な言葉が生まれるのは、
ちょっとおかしいのではないかと子供心に思っていたのですが、
実はこれ、江戸時代に付け足されたお涙ちょうだい話のようです。
もともとは、「禁漁区で強欲に毎晩密漁をした漁師が罰として海に沈められた」という
どちらかという勧善懲悪の話のようで、能の『阿漕』も、室町時代の作なので、
勧善懲悪系の亡霊話となっています。

てなわけで、阿漕平治をイメージしながら観ると、
舞台上のおどろおどろしい雰囲気に大きなギャップを覚えます。
強欲な人間が地獄に落ちて苦しんでいることを現世で嘆く話・・・ってな感じです。

初めての能だったので、
「大鼓って、ずいぶん乾いた音なんだな」とか
「笛の人、女性だよ!」とか
「後見って片付けぐらいしかしないのかな?でも結構上の人っぽいな」とか
いろいろ新鮮な驚きと言うか、あちこちに意識が飛んでしまったのですが、
シテの阿漕役の人が舞うと、やっぱり惹きつけられました。

特に、この舞台での阿漕は亡霊の役なので、
その所作の儚げな感じと言いますか、心残りな感じと言いますか、
まとめて言うと亡霊っぽい雰囲気(語彙がなくてお恥ずかしい・・・)に
吸い寄せられました。むしろ、ちょっと背筋がぞくっとする感じがありました。

また、ワキの旅人役の方の声が良く、聞き惚れました。
唯一きちんと言っていることが聞き取れた感じです(苦笑)。

最初に1時間ほどかけて、「能とは何か」「『阿漕』とはどんな話なのか」という
初心者向けの丁寧な説明があり、さらに衣装の着付けを見させてもらえるというおまけつき。
今回は、後シテの阿漕の衣装の着付けを舞台上で実演してもらったのですが、
着付けをする側の方々のキビキビとした動きに見惚れてしまいました。

また、演目で惹かれるものを見つけたら、能を観てみたいなと思います。


舞台が近くて良い!
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廊下の展示をじっくり見ている時間がなくて残念
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パッと見、民家みたいです(笑)
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小っちゃく出てる看板
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