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『虫眼とアニ眼』
- 2013/11/10(Sun) -
養老孟司、宮崎駿 『虫眼とアニ眼』(新潮文庫)、読了。

少し前、宮崎駿監督が引退を表明されましたね。
私は別に宮崎アニメのファンと言うほどではないのですが、
それでもやっぱりヒット作は一通り観ています。
『風立ちぬ』は、まだですけど・・・。

なんとなく人当たりは柔らかいけど中身は頑固な職人という人物像を描いていたのですが、
こんなに喋る人だとは思いませんでした。
自説は作品だけで表現して、あとは当たり障りのないことで丸めるのかなと思いきや
結構、極端なことを主張する方だったんですね。
ちょっと驚きました。

冒頭、宮崎駿氏の手による、「理想の街」の絵が何枚も載っており、
1つ1つ細部まで見ていくのにワクワクしましたが、
途中で思ったのは「私の年代がこの空間には登場しない・・・・」と・・・愕然。
専業主婦みたいな人はいるんですけど、子供と老人ばっかりで、
働いている人が絵の中にほとんど居ないんですよね。先生と医者ぐらい。
屋根が青々と茂っている円形の家には住んでみたいなぁと思いましたが、
この町で生きて行く自信はないです。幼さと老いしかない町なんて・・・・。

本題の対談の方は、現実世界に向けての鋭い指摘は、
いくつかナルホドなぁと思うものがありました。
ただ、その解決策というか、「こんな世界であるべきだ」という結論が
現実世界から断絶した遊離した世界のように思えて、あんまり頭に入ってこなかったです。
やっぱり、子供と虫しか登場しない空間の話だったからでしょうかね。

あと、対談形式にはなっていますが、
意外とお互いに、相手の話を聞いてないですよね(爆)。
ま、聞いてないというより、聞き流して、自分の言いたいことを言ってる感じ。
あとがきで、「ぶつかりようがない」というように両者の思想の近さを述べてますが、
ぶつからなければ、ぶつからないなりに、相手の話を受けて、広げるということは
出来ると思うんですよ。相乗効果と言いますか。
この対談では、そこがあまり感じられなかったです。
多分、養老先生の本を読んでるのと変わらない感じ。

てなわけで、なんだか不満ばかり書いてしまいましたが(苦笑)、
期待した割には・・・・という印象でした。


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