『スコーレNo.4』
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- 2013/11/06(Wed) -
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宮下奈都 『スコーレNo.4』(光文社文庫)、読了。
1人の女性の爽やかな成長小説です。 中学、高校、大学、会社と、それぞれの集団の中で 大なり小なりの転機を迎える主人公。 周囲に人には小さなことでも、本人には深く刻まれる出来事って、あるよなぁ・・・ なんて共感しながら。 そして、不思議な家族の取り決めや教えに、 「なんだか変だなぁ」と思いつつも従ってしまう自分とか、 家族同士であっても、というか、家族だからこそ聞けないことがあったりとか。 家族のルールって、あるよなぁ・・・・と思ったり。 祖父の前の代まで稼業は隆盛だったらしいのに、 私が知っている頃には、ずいぶん萎んじゃったなぁ・・・・とか。 ま、うちの場合は戦争で商売道具の反物が全部焼けちゃったせいみたいですが。 というわけで、いろいろな局面で共感できる作品でした。 ただ、いろんな問題を認知しながらも、 特段の解決手段を求めようとしない主人公の姿勢と、 それでウヤムヤのまま通り過ぎてしまう物語の展開に、 やや都合の良さと言うか、物足りなさを感じてしまうところもありました。 人間の困った部分や嫌な部分をチラッと垣間見たように思ったのに、 あんまり深堀りしないまま、何となくふわっと終わってしまう印象です。 で、何か新たな気持ちの良いことに包まれて、意識がそらされるというか・・・。 ま、ほじくり返さないからこその爽やかさなのかもしれませんね。
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