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『ビフォア・ラン』
- 2013/10/26(Sat) -
重松清 『ビフォア・ラン』(幻冬舎文庫)、読了。

恩田青春モノの流れで、重松青春モノをば。

しかし、この作品は、しんどかったです・・・・。
恩田作品のキラキラ感とのギャップが凄くって。

自分の人生に彩りを添える「トラウマ」を作りたいという変な理由から、
心の病で退学した同級生を「殺してしまう」という物語を作り上げた主人公。
嘘の「自殺」話を友人たちと語り合い、墓まで作ってしまった彼らの前に、
その「自殺したはずの」同級生が明るすぎるほどに明るくなって戻ってくる・・・。

とまぁ、設定を書くとこんな感じなのですが、
なんとも悪趣味な印象を受けました。
地方の悪ガキを描くにしても、「心の病を患った同級生を自殺させる話を作り嗤う」
なんていう発想は、正直驚きましたし、呆れてしまいました。

そして、戻ってきたその同級生は、
心の病を一層悪化させている状況で、悪いことに主人公の幼馴染の女の子を
心の病の側に巻き込んでいきます。

うーん。読んでいて辛い・・・・。

先日の恩田作品も、複雑な家庭環境を背負っている少年ばかりが登場し、
それはそれで、しんどい内容ではありました。
しかし、彼らは、そんな自分の暗い部分を隠そうという努力をしており、
ふと告白してしまったことをきっかけに、お互いが互いを思いやるという
まさに青春な感じだったわけですよ。

一方、本作では、あまりに露悪的な行動ばかりで、
何もこんな設定にしなくても・・・・という展開ばかり。
中盤で、主人公は、変に英雄気取りな行為をするのではなく、
冷たいぐらいに心の病の人々と距離を取り、ある種の寡黙な冷静さを見せます。
その流れがあったおかげで、終盤の大人な対応になっていったところがあり、
最後は読ませてくれました。

でも、やっぱり、作品全体を眺めると、
ちょっとダークすぎて、苦手な作品でした。


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重松 清

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