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『「戦う組織」の作り方』
- 2013/09/23(Mon) -
渡邊美樹 『「戦う組織」の作り方』(PHPビジネス新書)、読了。

今や、渡邊センセイになられた著者ですが(苦笑)、
ワタミの社長から会長になった頃(4年前ぐらい)に書かれた一冊。

政治家としての力量は知りませんが、
経営者としては、やはりワタミグループをあれだけの規模にした人ですから、
才能があるのだと思います。

ただ、本作の第1章は、ワタミの決算説明会に出席しているかのような内容(苦笑)。
ワタミグループをどうするかではなく、経営者としての哲学を知りたいんですけど。

第2章からは、段々と経営哲学的な内容になりますが、
体系だっているかというと疑問。
個々のエピソードの紹介にとどまっている印象です。

それでも、自分が決めた経営のルールは徹底するという姿勢は見えてきます。
そのポジションに適さない(=成長しきれていない)人材は、
例え、ゼロからのスタート時の仲間であっても素直にそう伝え降格させるという姿勢。
これが徹底できる経営者は、なかなか居ないと思います。
「過去の経緯を知っているから・・・」などと適当な(しかも反論できない)理由を付けて、
それなりの立場に昇進させてしまうことが大半ではないでしょうか。

本作や、様々な媒体で見る著者のインタビューなどを通して、
自分にも他人にも厳しい経営スタイルが見えてきます。

最近は、ブラック企業の経営者として周知されてしまった感がありますが、
本人からしてみれば、「俺は昔からこのスタイルでやってきた」
「ついてこれる奴はついてこい、無理な奴は立ち去れば良い」という感じかなと想像。
で、ついてくる能力が無いのに無理するからあんなことになるんだ・・・
と思っているような気がします。(あくまで私の想像です)
「できる人」と「できない人」のギャップが埋まっていないようにも感じます。

組織がまだ大きくなかった頃は、
組織の末端に居ても、著者の経営スタイルが相応の実感を持って感じられたのだと思います。
だから、「この人とは合わない」と思った人は辞めていったのでしょう。
しかし、今のような大きな組織になってしまった時に、
末端の社員は、果たして著者の経営スタイルを肌で感じられていたでしょうか。
著者個人の経営哲学ではなく、組織による強制と感じて仕事をしていたのではないでしょうか。
個人への反感であれば、そこから抜け出すのは簡単ですが、
組織から抜け出すのは意外と難しいと思います。複雑な人間関係がありますから。

ま、入社「2か月」で過労「自殺」という原因と結果には、
アンバランス感が拭えないですが・・・・。
たった2か月の経験のために、人生を捨ててしまうなんて勿体ない。
そして、月140時間の残業は、私の経験的に珍しい数字でもない・・・。
心を病んでいて冷静な判断ができなかったのだと言われればそれまでですが、
要は、仕事と向き合う自分の姿勢を、本人が受け入れられるものではなかったのかなと。

いじめ自殺も、同じような経験をして自殺する人としない人がいますが、
いじめの内容云々ではなく、いじめを受けている自分の姿が自分自身で受け入れられるか、
今の自分の境遇と理想の自分のギャップに耐えられるか、というところが
自殺を選択するか否かの分かれ目のような気がしています。

いずれにしても、雇用のミスマッチというのは、
雇う側、雇われる側双方にとって不幸なことであり、
経験の蓄積という面で言うと、雇う側の適正人材を見極める能力を
是非とも引き上げてほしいものです。

とまぁ、いろんなところに考えが拡散した読書となりましたが、
まず、本作に関しては、看板が誇大広告でそれほど体系だった内容ではないです。
次に、著者の経営者としての能力は、私はあると思います。
ただ、中規模組織までは彼の哲学を組織内に徹底することが可能だったでしょうが、
大規模組織になった今は、「死ぬほど働け!俺はそうやって成長した!!」という
哲学では組織を動かすのは難しいと思います。

それこそ、別の哲学で組織を動かす後任に譲るか、
もしくは組織を小さく括ってプチ渡邊美樹とでも呼べる鬼軍曹タイプを置くかの
どちらかだと思います。

いずれにしても、このタイミングで選挙の候補者に掲げた自民党は、センスない!


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