『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
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- 2013/08/18(Sun) -
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『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
映画館でかかっていたことは知っていたのですが、 どんな題材の作品なのか知らないまま、WOWOWでやってたので観てみました。 何となくタイトルの語感から、『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』のような 柔らかな感じを想定していたのですが・・・・。 舞台は、9.11の後のニューヨーク。 WTCで父親を亡くし、母子家庭で育つ主人公。 幸いにも、祖母が通りの向かいのアパートに住んでいるので、 心細くなったらトランシーバーで会話をしています。 もともとアスペルガー症候群的で繊細な気質だった主人公の少年は、 大好きな父を亡くし、PTSDに陥ってしまいます。 そんなある日、父の部屋で見知らぬ鍵を見つけ、 自分宛のものだと思い込んだことで、その鍵で開けられるものを探し始めます。 鍵が入っていた紙袋に「BLACK」と書かれれていたことから、 ニューヨーク中のブラックさんを訪ね歩くことに。 しかし、PTSDのせいで、怖くて列車やバスに乗れず、橋も苦手、 高層ビルにも、上を見上げる人にも不安を感じてしまいます。 それを押しのけて、徒歩で探し回ることで、肉体・精神ともボロボロに。 そんな中、祖母のそばに1人の老人がいることに気づき・・・。 と、話が展開していくのですが、 それまで自分の内に溜め込んでいた9.11のショックを 少年が他人にぶちまけるかのように話すシーンが2度登場し、 その悲しみの重さに、正直、観ているのが辛かったです。 映画の感動とか言う前に、辛かったのです。 9.11から十年を経て映画化された作品ですが、 遺された人々は、この作品を直視できたのかということを思うと、 辛くてなりませんでした。 私たち日本人は、3.11から十年経た時に、 地震で残された人々を描いた作品を直視できるようになるのでしょうか。 (すでに何本か震災関連の映画は公開されていますが、本作ほどに 多くの一般人が観た作品は、まだ出てきていないのではないかと思っています) 私自身は、身内にも、友人にも、知人にも、今回の震災で亡くなった人はいませんでした。 しかし、例えば会社の同僚の身内の方が亡くなったり、 父の友人の友人が亡くなったりという話は聞いています。 2021年になれば、震災で大きな傷を負った人々を描く映画を 多くの日本人は直視できるようになっているのでしょうか。 私は、自信がないです。 海の向こうの話でさえ、日本の姿に重ねて、辛く感じてしまったので。 映画作品としては、演者が良かったです。ナイスキャスティング。 主人公の少年を演じたトーマス・ホーンもそうですが、 トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、その他の脇を固める俳優陣の演技が見事でした。
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