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『ジョンQ-最後の聖戦-』
- 2013/06/30(Sun) -
『ジョンQ-最後の聖戦-』

重い心臓病を患う息子には心臓移植手術しかないが、
25万ドルという大金を用意できない貧しい父親が起こした行動とは・・・。

社会問題を扱った感動作ということで観てみましたが、
正直、主人公に共感できませんでした。

以前、会社の研修で米国の医療保険の仕組みについて学んだので、
その構造的な歪みについては、人よりも知っているつもりです。
現在の不況という環境の要素もわかります。
高額医療というジャンルがあることも知っています。

しかし、そういった現実に対してこの作品が投げかけるものは、
あまりに自分勝手な理屈と、ご都合主義な展開であり、
全く答えにも希望にもなっていないと思いました。

重い心臓病の人が、手術費を用意できず、
日本でも○○基金などと銘打って活動している様子を報道で目にします。
しかし、必ずしも最良の治療を受けられるわけではないのは、
心臓を患っている人だけではありません。

例えば、日本に30万人いるというガン患者の方たちも、
費用の面で治療の選択肢が狭まったり、保険が利くか否か、
有名な執刀医が居るか、病院の設備が整っているかなどで、
何かしらの制約のもとで、出来る限りの治療を受けているものと思います。
夜間に急患で運ばれたら、たまたま宿直の医師が専門外だったとかというような
運不運もあると思います。

それは、医療が無限に与えられるものではないという現実がある以上、
仕方がないことだと思います。

むしろ、この作品を見ていて、心臓外科医の立場に共感しました。
自分は心臓移植手術をする技術を持ち合わせながら、
必ずしも全ての患者を助けることができないという現実。
例えば、適合するドナーが見つからないとき、
例えば、適合するドナーが出たのに、リストの順番の関係で待たなければけないとき。

医療は、受けられる患者を選ぶとともに、執行する医師をも選ぶんです。
医療関係者の苦悩を思うと、本当に大変な仕事をされているのだと頭が下がります。

本作では、心臓移植というのは、誰かの死を望んで待つことだという一面をも
軽く扱っていて、そこも不満でした。
冒頭のシーンから、ご都合主義的なエンディングになることは分かっていましたが、
「誰かの死」を、「奇跡が起きた」という扱いをしていて、非常に不愉快でした。

米国では、医療保険の歪みに苦しめられている人たちは大勢いると思いますが、
彼らがこの作品をどのような気持ちで見たのか、知りたいです。

小金持ちが趣味で作ったお涙ちょうだい作品のようで、
なんだか、24時間テレビにも似た気持ちの悪さを感じる作品でした。


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