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『夜の旅人』
- 2013/04/20(Sat) -
阿刀田高 『夜の旅人』(文春文庫)、読了。

短編小説の名手が書いた初の長編小説とのこと。
直木賞受賞作『ナポレオン狂』のモデルとなった人物の半生を描いているということで、
わたくし、てっきり創作だと思っていたので、実在する人物の伝記だとわかり、
やや拍子抜け。

『ナポレオン狂』的なエンターテイメントを求めて読み始めてしまったので、
あら、残念、勘違い。

ゲーテ関係の品の蒐集に熱を上げる姿を描いていますが、
その熱意の割には淡々とした描き方なのが気になりました。
ゲーテを集める!という思いに至った瞬間の描写もあっさりしてますし、
その後、なぜ私が蒐集する意味があるのかという葛藤の部分も
もっとあったのではないかと思ってしまいました。

主人公の心理描写があっさりしている分、
著者が本編に登場してきて対話をするという構成は、
逆に凝りすぎて空回りしているような印象でした。

あとがきを読んで、著者とモデルの人との約束が分かり、
上記のような構成になった経緯は理解できましたが、
果たして成功していたのかは、私はやや疑問でした。

城山三郎作品などをいくつも読んでいると意識しなくなってしまうのですが、
伝記というものを生き生きと描くのは相当な技術が要ることなのだと再認識しました。






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