『四十九日のレシピ』
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- 2013/04/18(Thu) -
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伊吹有喜 『四十九日のレシピ』(ポプラ文庫)、読了。
タイトルとカバー画から、死を爽やかに捉えた作品なのかと思ってましたが、 意外と浮世の話がドロドロしてました(苦笑)。 浮気とか、子供ができたとか、離婚届に判を置いてくれないとか、 そういった行動のドロドロさではなく、 浮気相手の女の精神状態がヤバいんじゃないの?という気持ち悪さが・・・。 それと比べてしまうので、実家に戻った百合子の生活の周囲が、 なんとも静かで清々しいものに感じられてしまいます。 こちらはこちらで、親戚との軋轢とかいろいろ抱えているのですが、 亡くなった乙母の人徳なのか、なぜか読んでいて心が荒れません。 法事は死んだ人のためではなく、生き残った人のためにあるというのは 良く聞く言葉ですが、本作を通して、本当にそうなんだなと感じました。 百合子とその父という2人の主人公の目を通して、 死を受け入れるということ、生活と向き合うということ、 様々な人との関わりの中で自分というものを保つということ、 いろんなことを学ぶことができました。 最後、四十九日が終わって、みんなが家を去っていくシーン。 様々に解釈ができる描写になっていて、これは面白いなぁと感心しました。 死ぬことの神聖さまでをも感じられる良い作品でした。
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