『64』
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- 2013/01/01(Tue) -
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皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。 横山秀夫 『64』(文藝春秋)、読了。 さて、年越しで読んだのはヒット中の本作。 古本一家において、珍しく母が新刊本を買ってきました。 母が東京に遊びに来た時に読み終わり、私の部屋に置いて行ったのですが、 父から「俺も早く読みたい」とせっつかれ、 今度は私が年末の帰省の車中で読んで帰ってくるということに(笑)。 本作は、14年前の誘拐事件が出発点になっています。 子供は殺され、誘拐犯は捕まらず、しかも捜査上の問題も抱えている事件。 もはや風化したと言ってもよい状況なのに、 なぜか東京から警察庁長官が視察に来て、マスコミの前で会見をすることに。 広報官の主人公は、その段取りをつけに当時の被害者の父親宅へ出向きます。 一方で、県警と記者クラブとの関係は、とある事件の警察発表の内容を巡り大混乱中。 警察組織内の刑事部と警務部の対立構造の激化問題もあり、 さらには、広報官自身の家族の問題もあり・・・。 これほどまでに幅広い展開を見せる物語なのですが、 まぁ、どれも上手く描き分けて、しかも、最後には、一つ一つのエピソードを きちんと漏れなく繋げていきます。 それはもう、気持ちの良いほどに。 650ページ近くある大作ですが、 全てのページが、無駄なく使われているように感じました。 終盤で起きた事件の犯人は読みながら分かってしまいましたが、 しかし、その犯人の事件を起こすまでの行動には驚かされました。 「なるほどぉ」と呻るしかなかったです。 横山秀夫、すごいわ。 今年の読書は、一冊目からワクワクドキドキ、楽しいものになりました。 この1年間、さらに素敵な本に出会えることを願ってます。
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