『リアルワールド』
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- 2012/12/06(Thu) -
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桐野夏生 『リアルワールド』(集英社文庫)、読了。
隣の家の息子が母親を金属バットで撲殺して逃走した。 その息子の行動に巻き込まれていく女子高生4人組。 彼ら5人の視点で描かれていく逃走劇。 いや、逃走劇を描いたのではなく、きっと、高校生の日常を描いていたんでしょう。 仲良し4人組に見える彼女たちですが、 それぞれに、実は信用していない人がいたり、 自分の裏の姿を隠しおおせているつもりでもみんなにバレていたり、 でも、バレていることを誰も教えてあげなかったり。 高校生たちというのは、非常に孤独な日々を送っているのだと 本作を読んで思い出させられました。 自分の高校生時代は、身の回りで尊属殺人が起きることはなくても(苦笑)、 あんまりお互いに立ち入ったことはしない関係だったなと。 進学校で、部活動に力が入っていなかったこともあり、 授業が終われば、みんなすぐに帰ってしまってました。 中学校のころのように、放課後に教室に残ってバカ話をしたり、 部活動で一生懸命になったりした思い出が、高校生活にはありません。 自分の人生の中で灰色だったのかな。 では、そのころの自分が、この作品にあるような出来事に巻き込まれたら どうするのだろうか、なーんて考えると、 彼女たちのように危険な行為をすることはないなと思いつつ、 彼女たちみたいな反応をする人もいるのかもね・・・とどこか思えてしまう そんな遠いリアリティを感じさせる作品でした。
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